日本国憲法の施行から71年、かつてないほど改憲発議が現実味を帯びている中で迎えた3日の憲法記念日。護憲派と改憲派は県内をはじめ各地で集会を開き、安倍政権が焦点とする9条を巡る動きに対し声を上げた。「平和憲法を守り抜く」「自衛隊に憲法上の根拠を」。市民らはそれぞれの願いを込めた主張を繰り広げ、日々の暮らしや平和に密接する憲法への思いを強くした。
「市民の護憲運動が広がった結果、森友・加計問題や強権的な国会運営など、おかしな政治が起きている。安倍政権はこの悪循環を脱することが難しく、暴走する恐れもある」
横浜市神奈川区で開かれた集会で、東海大学法科大学院教授の永山茂樹さんが力を込めた。約800人の市民を前に、安倍晋三首相が目指す憲法9条への自衛隊明記を「現実は何も変わらないと言うが、一番問題なのは軍に公共性を認めること。例えば、軍事基地をつくるからと、住民に立ち退きを求めることができるようになる」と問題視した。