
学校や職場でのつらい経験や人間関係の不安で働くことができず、こもりがちな若い女性を対象にした講座が10年目を迎える。仕事や通学をしていなくても「家事手伝い」と見なされ、見えない存在になってしまう女性は少なくない。2009年に始まった先駆的な取り組みは受講生のニーズを反映して内容を変化させながら、自立を手助けしている。
「ガールズ編しごと準備講座」は、横浜市男女共同参画推進協会が1年に2回開催する。15~39歳の独身女性(学生とシングルマザーを除く)が対象で、全11日間。働き方や法律・制度を学んだり、過去の受講生の体験談を聞いたりして就労について考えるほか、料理や呼吸法、ヨガなどを通じて心身の調子を整えることも目的にする。
これまでに17~40歳の計375人が受講。会場のフォーラム南太田(同市南区)は「安全な場をみんなでつくって体験することを主眼に、同じ悩みを持つ仲間に出会うことを大事にしようと、相談ではなく当事者が集まる講座にした」と説明する。
継続する中で、内容も変化している。基礎的なパソコン講座や履歴書の書き方など、就労に直接関わることは「他施設などでも学べる」として除外する一方、仲間として分かち合うことに力を注ぐ。「同じ悩みを持つ同世代ともっと話したい」という要望を受け、17年春から自分のできることや今後について受講生同士で考える時間を設定した。
ヨガの講師を元受講生が務めたり、福祉制度の解説を充実させたり、受講後にどうするかを考える要素も盛り込む。同館は「自分がしたいこと、できることは何かに重点を置くよう意識した。より深く自分のことを考え、心地よくありたいという気持ちの中から『働く』ということにもつながれば」と話す。
次回の講座は5月9日~6月6日の開催。原則毎週月、水、金曜日で全11回。無料。定員20人で申し込み締め切りは4月25日。問い合わせは、同館電話045(714)5911。