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輝け「老人の夢」 蜷川さん演出予定の群集劇、遺志胸に1600人が挑戦

社会 | 神奈川新聞 | 2016年10月15日(土) 09:22

「1万人のゴールド・シアター」を引っ張るノゾエ征爾さん(左上)と稽古に打ち込む参加者たち。右下は故・蜷川幸雄さん
「1万人のゴールド・シアター」を引っ張るノゾエ征爾さん(左上)と稽古に打ち込む参加者たち。右下は故・蜷川幸雄さん

 5月に80歳で亡くなった蜷川幸雄さんが総合演出する予定だった世界最大級の群集劇「1万人のゴールド・シアター」。出演者公募中に訃報が重なったが、その遺志を継ごうと国内外から1947人が手を挙げた。「高齢者だからといって家にこもらず、外に出て輝いてほしい」。蜷川さんは生前、繰り返しそう呼びかけていた。年末に本番を迎える舞台のテーマは「老人の夢」だ。

 「あはははは!」

 初めて全体練習が行われた9月末。「さいたま市記念総合体育館」(同市桜区)には大きな笑い声が響いていた。白色と黒色に組分けされた参加者は、演劇経験がない人がほとんど。指定された色の洋服に着替え、番号入りのゼッケンを着けて身体をほぐす体操から始めていく。

 出演者総数は実に1600人。うち神奈川からは104人が名を連ね、晴れ舞台に向け稽古に汗を流す。

 「人数がたくさんいるから、『また今度ね』と言っても会えないこともあるの。練習は7月から始まったけれど、いつも初めて話す人が多いのよ」と、出演者らは笑う。

 ところが、休憩時間には孫や好きな歌手の話などに花を咲かせ、まるで旧知の仲のようだ。

 2人1組になり、手を取り合う稽古中に、はじける笑顔の女性がいた。頬を高揚させ、少女のように軽やかにステップを踏んでいたのは横浜市鶴見区の石井美由紀さん(77)。夫を亡くし、ふさぎ込んでいた今春、通っていたコーラスの先生から同舞台の募集を聞いた。子どもたちからも「閉じこもっていたら、お父さんが心配するよ」と背中を押され、参加を決めた。

 「いまも1人でいると気持ちが悲しい方向に向いていく。でも、ここで歌っているときは忘れている。彼には悪いなと思うけれど…いまはこれが1番楽しくて、生きがい。私よりも若い、60代の方からパワーをもらっているの」と目を細めた。

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