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時代の正体 沖縄考
山城さんに聞く【11】 希望 平和の「風かたか」に

社会 | 神奈川新聞 | 2020年2月27日(木) 10:00

「抗議活動を阻む違法な封鎖」と訴える山城さん(左)。数十人の警備員らは終始、視線を逸らしていた=2019年6月24日、沖縄県本部町
「抗議活動を阻む違法な封鎖」と訴える山城さん(左)。数十人の警備員らは終始、視線を逸らしていた=2019年6月24日、沖縄県本部町

 目覚めると、カーテンを開けるまでもなかった。地面を叩(たた)く雨音が響く。2019年6月23日、沖縄が鎮魂の祈りに包まれる「慰霊の日」は30年ぶりの空模様だった。戦没者の涙雨に思えた。

 沖縄戦の激戦地・沖縄本島南部に佇(たたず)む「魂魄(こんぱく)の塔」は身元不明の戦没者を祀(まつ)る慰霊塔だ。野ざらしにされた遺骨を集め、戦後最も早い時期に建立された。東の空白む早朝から陽が落ちる夕刻まで、遺骨が戻らぬ遺族の参拝が続く。

 お年寄りが喪服のかりゆしウエアに身を装い、頭を垂れる。若いカップルがTシャツにサンダル履き姿で黙祷(もくとう)する。「ばあばのじいじが眠っているんだよ」。母親の腕の中で男の子がぎゅっと目をつむり、小さな手を合わせていた。

 特別な日であり、しかし追悼が暮らしに溶け込む。受け継がれる営みの尊さに思わずうなずく。

 雨脚が弱まった正午ごろ、沖縄で平和運動に取り組む山城博治さん(67)が塔の前に立った。線香を手向け、目を閉じる。心静かに先人たちの冥福を祈った。

■ ■ ■

 翌日も、雨は降り続いていた。本島北部西海岸の本部港。マイクを握る山城さんは一転、怒りに打ち震えていた。

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