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親子の形、見詰め前へ 子ども力に 面会交流は今(1)現場

社会 | 神奈川新聞 | 2018年3月31日(土) 14:12

面会交流までの流れ
面会交流までの流れ

 冷たい風が吹き付ける2月下旬の日曜日の朝。埼玉県内の住宅街の一角で、8歳の女の子が母親(43)に寄り添いながら歩き始めた。今日は女の子が離れて暮らす父親(50)と会える「面会交流」。1カ月ぶりの再会を前に顔はほころび、足取りも軽い。

 「おはようございまーす!」。黒いニット帽姿の若い女性が笑顔で親子を迎えた。面会をサポートするNPO法人ウィーズ(千葉県船橋市)の光本歩さん(29)だ。親子はスタッフの付添型の支援を受けながら面会を続ける。

 光本さんは安心して面会を楽しめる環境づくりに心を砕く。支援する親子とは、日頃から体調など子どもに関することをざっくばらんに話し合う。

 「娘は動物が大好きで、今日は『ネコカフェ』に行きたいようなんです」「じゃあ、行ってみましょう!」。子どもの希望も臨機応変に受け入れる。女の子と光本さんは母親と別れ、父親と待ち合わせる駅へと向かった。

 「パパ、もうすぐ来るかな?」。女の子は改札内をじっと見つめ、人波から父親を探す。姿を見つけると、声を上げるより先に駆け寄った。父親は目を細めて女の子を抱き上げ、じゃれ合う。「早く行こう!」。女の子の言葉を合図に、3人は電車に乗り込む。親子の面会交流が始まった。

 父親は3年ほど前から母子と別居する。月に1回、娘と過ごす数時間はかけがえのないひとときだ。仕事から帰って就寝前に絵本の読み聞かせを練習する。会えば考えてきたクイズで笑い合ったり、一緒に漢字の書き取りを練習したり…。

 「離れていても親子であることは変わらない。いつも思っているよ、と愛情を伝えることが、娘にとって大切だと思っています」

■ ■ ■
 子どもには親の離婚後も双方の親と関わり、成長する権利がある-。虐待や連れ去りの恐れなど特段の事情がない限り、面会交流は子の利益として実施が望ましいとの見解が定着してきた。

 離婚する夫婦が少なくない時代。面会交流は2011年の民法改正で離婚時の取り決め事項として明文化された。しかし、合意を義務づける規定はない。信頼が崩れ、離婚や別居を選択した父母だけで面会交流を実施することは容易でなく、実現のハードルは高い。

 離婚や別居前後に面会の可否や方法などを合意できなければ、家庭裁判所に調停を申し立てることができる。件数は増加の一途をたどり、司法統計によると、16年は全国で1万2341件となり、00年の約5・1倍。県内も同様の傾向にあり、横浜家裁への16年の申立件数は786件で、00年の約5・3倍に増えた。


 調停で面会実施を合意しても面会を義務づける制度がなく、実現しないこともある。16年の厚生労働省の調査によると、実施率は父子家庭が45・5%、母子家庭は29・8%にとどまった。

 離れて暮らす子どもに全く会えない、暴力が原因で別れたため面会を拒否する、合意した面会の頻度を増やしたい…。両親の対立は多様で複雑だ。当事者だけでは実施が困難なケースは多く、支援団体などが仲介する。

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 離婚件数自体は減少傾向にあるが、面会交流を巡る争いは増加している。背景は何か。

 「共働き家庭が一般化して父母がともに育児を担うようになり、少子化も相まって子どもへの愛着が強まっている」。早稲田大学の棚村政行教授(家族法)は社会情勢の変化と密接に関わっていると指摘する。

 「面会交流は子どもが離婚後も双方の親から愛情や

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