昨年10月の台風19号で甚大な浸水被害を受けた川崎市多摩区菅稲田堤3丁目の被災住民らが今月、「水害から菅稲田堤を守る会」を立ち上げ、20日に再発防止策の提示などを市に求める陳情書を市議会に提出した。賛同者1042人分の署名も添えた。
同地域では、周辺を流れる三沢川の水位が上昇して水が流れ出たほか、同川に流れ込む用水路が氾濫するなどして深刻な被害に遭った。市によると、多摩区内で約350軒の住宅が浸水被害を受け、そのうちの多くが同地域だったという。
同団体は1日、同地域の被災住民ら5人で発足。陳情書では、(1)用水路氾濫の原因とその責任の所在を明らかにする(2)用水路の整備など再発防止策を講じる(3)国と県に対し、多摩川や三沢川の水位を下げる対策を実施するよう市から意見書を提出する─の3項目を掲げた。
同団体代表の早川清さんは「行政はこれまで何もしてくれなかった。今夏が心配で、このまま放置しておくわけにはいかない。命を守ることが先決であり、とにかく二度と同じことを起こさないようにしっかりと対策を講じてほしい」と訴えた。