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合葬墓を久野霊園に整備へ 小田原市

社会 | 神奈川新聞 | 2018年3月17日(土) 11:09

「合葬墓」が整備されることになった小田原市営久野霊園=同市久野
「合葬墓」が整備されることになった小田原市営久野霊園=同市久野

 小田原市は、他人の遺骨と一緒に埋葬する合葬墓(がっそうぼ)を市営墓地「久野霊園」(同市久野)に整備する。少子化や核家族化が進み、墓地の跡継ぎに不安を持つ市民が増えていることから、遺骨を合同で埋蔵する形式を採用する。市みどり公園課は「管理・運営方法などの詳細を決め、できるだけ早い時期に着工したい」としている。

 市は1966年9月、久野霊園を開設。これまでに2762区画の墓地を整備した。現在は利用者から返還された区画のみ再募集しているが、2017年度までの過去10年で募集数に対する応募数は1・1倍から3・1倍で推移し、公営墓地の需要は高い水準を維持している。

 その一方、「承継者のいない墓地や管理料が支払われない墓地が年々、増加傾向にある」と同課。特に跡継ぎが決まらない、お金が用意できないなどの理由で管理料を3年以上滞納する利用者が、近年急増。同課は「将来的に無縁墓地になってしまう可能性もある」と懸念する。

 こうした現状を踏まえ、市は昨年4月から6月にかけて、利用者を対象に合葬墓に関するアンケートを実施し、1522人から回答を得た。合葬墓が整備された場合、「利用する可能性がある」と回答したのは最多の39%。利用する時期については61%が「子ども、または親族の代」とし、「現在の使用者」が28%で続いた。

 結果について、同課は「即座かどうかは別にしても、『利用する』との回答が比較的多く、承継に不安を持つ市民がやはり多いと感じた」と受け止める。こうした市民ニーズの高まりを受け、市は霊園内に合葬墓を整備して、区画墓地から改葬し、返還された区画墓地を市民に提供する“循環利用”を進めることを決めた。

 合葬墓は、最低でも約300世帯、約600体分の遺骨を収容できる規模とし、骨つぼに入った遺骨を納骨室に一定期間安置した後、合同埋蔵する方法を基本とする。整備費や管理費は使用料で賄う。利用者の高齢化にも配慮し、霊園入り口にある管理事務所近くで、平地など造成する必要の少ない場所に整備する。

 市は18年度の一般会計当初予算案に、合葬式墓地調査・基本設計の委託料として約1千万円を計上した。

 同課は「安定した管理・運営という観点からも、管理料の滞納や無縁化は好ましくない」と説明。「合葬墓を整備することで、市民の安心だけでなく、課題解決にもつなげたい」としている。

 
 

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