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やまゆり園 事件考
呼吸器の子(下) 生きよう、あるがまま

社会 | 神奈川新聞 | 2020年2月11日(火) 22:58

荘真君の介護をしながら父の義生さん(中央)が仕込んだ鍋を囲む長女の由真さん(左)と次女の真維さん。食卓ではいつも笑いが絶えない=1月31日、横浜市
荘真君の介護をしながら父の義生さん(中央)が仕込んだ鍋を囲む長女の由真さん(左)と次女の真維さん。食卓ではいつも笑いが絶えない=1月31日、横浜市

 2016年7月26日、障害者19人の命が奪われた津久井やまゆり園事件は、土屋義生さん(40)=横浜市=にとっても人ごとではなかった。重度障害があり、言葉での意思疎通ができない長男荘真君(6)と介護者の自分にも刃(やいば)が向けられたに等しいと受け止めた。

 だが、事件が起きてしまうかもしれないという懸念はあった。植松聖被告(30)のように「重度障害者に生きる意味はなく、不要な存在」と考える人は少なくないと感じていたからだ。荘真君と街に出ると、じろじろと偏見や哀れみの目で見られることは日常茶飯事だった。

 なぜ被告は重度障害者の存在を否定するようになったのか。答えを探し求めて、荘真君と共に1月17日の第5回公判を傍聴した。

 この日は、被告が共鳴した映画が取り上げられた。名前を答えられるかどうかで人間か否かを区別するシーンがあり、わが意を得たりと被告がにやっと笑った気がした。

 実際に被告は名前、年齢、住所を言えるかどうかで命を選別したとされる。わが子も否定の対象なのだとあらためて分かり、ぞっとした。

 
 

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