1. ホーム
  2. ニュース
  3. 社会
  4. 「大切な人が助かる未来を」 津波で娘失った父が講演

「大切な人が助かる未来を」 津波で娘失った父が講演

社会 | 神奈川新聞 | 2020年2月12日(水) 05:00

「大切な人が助かる未来を想定してほしい」と呼び掛ける佐藤さん=横浜市中区
「大切な人が助かる未来を想定してほしい」と呼び掛ける佐藤さん=横浜市中区

 東日本大震災の津波で小学6年生だった次女を亡くした宮城県の元中学校教諭佐藤敏郎さん(56)の講演会が11日、横浜市中区で開かれた。次女が通っていたのは児童と教職員計84人が死亡・行方不明になった石巻市立大川小学校。佐藤さんは同校に不足していたのは備えの意識とした上で、平時から「大切な人が助かるハッピーエンドの未来を想定してほしい」と呼び掛けた。

 同校の悲劇を巡っては、遺族らが市と県に損害賠償を求める訴訟を起こし、昨年10月に最高裁で判決が確定。適切な危機管理マニュアルを整備する義務を怠ったなどとして、学校側や行政の過失を認めて14億円余りの支払いを命じた。

 佐藤さんは、大川小には裏山があり発災後に防災無線も流れていたことなどを挙げ、「(逃げる)時間、情報、手段。救う条件は全部あった」と指摘。足りなかったのは「準備」だったとし、「山は命を救わない。山に登る判断と行動が命を救う」と訴えた。

 備えに対する意識を高める方法として、「大切な人や場所を思うこと」と強調。「マニュアルを作る際、通常は登場人物に家族や自分を入れない。それは防災が恐怖になっているから」と説き、「助かる未来をつくるのが防災。地震や津波は止められないが、何万人が死ぬ未来は変えられる。人ごとではなく、いかに自分ごとにしてもらうかだ」と話した。

 佐藤さんは、震災後に地元の子どもたちが心情を詠んだ俳句や、描いたイラストも紹介。「女川は流されたのではない 新しく生まれ変わるんだ」という詩を書いた同県女川町の男子児童が今は町職員となるなど、成長した姿を伝えた。

 講演会は日本赤十字社神奈川県支部の主催。JRC(青少年赤十字)に加盟する学校教諭や、赤十字ボランティアなど約180人が参加した。

東日本大震災に関するその他のニュース

社会に関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

アクセスランキング