在日コリアンの虐殺宣言に爆破予告と、多文化交流施設「川崎市ふれあい館」を標的にヘイトクライムが続発している問題で、立憲民主党県連(阿部知子代表)は10日、武田良太国家公安委員長と森雅子法相に対し、捜査の徹底と差別に基づく犯罪を防ぐ法整備を求める要望書を提出した。
相次ぐ脅迫は卑劣なヘイトクライムにほかならず、昨年12月に成立した川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例への挑戦であると非難。捜査の徹底のほか、ヘイトスピーチ解消法に実効性を持たせるため刑事罰を盛り込むよう求めた。
法務省の菊池浩人権擁護局長は「『抹殺しよう』は恐怖、絶望感を抱かせる典型的なヘイトスピーチ。決してあってはならない」と明言。一方で「表現の自由への配慮から法改正は慎重に考えるべきだ」と旧来の見解を繰り返す菊池局長に阿部代表は「実際に命が奪われてからでは遅い。限度を超えた差別や事件が起きていることにこそ配慮し、命の擁護を」と念を押した。
警察庁の中嶋正浩国会連絡室長には飯塚正良市議が「町会長自ら見回りをしている。安全安心を取り戻してほしい」と訴え、市川佳子県議も「容疑者の特定が類似の事件を含めて抑止につながる」と強調した。
市は7日に被害届を提出しており、福田紀彦市長は10日の定例会見で「県警には適正な対応を願う」と話した。