三浦市は介護・福祉の拠点として高齢者や障害者へのデイサービスなどが行われてきた市地域福祉センター(同市栄町)を、3月末で廃止することを決めた。リハビリルームや市民交流スペースを備え、多くの人に親しまれてきたが建物が老朽化。修繕には多額の費用がかかり、2018年度からの指定管理者の応募もなく、市は廃止の関連議案を1日開会の市議会第1回定例会に提案する。
同センターは1992年の設立当初から市社会福祉協議会(社協)が業務を受託し、2006年度からは指定管理者として運営。市は18年度から22年度までの管理者を昨年8月から約1カ月間公募した。「これまでの収支状況から鑑みて支払える」として、市は施設維持に要した年間300万円を管理者が負担することを募集要項に新たに盛り込んだ。同社協は「条件が厳しすぎる」として今回の応募を辞退。募集期間に名乗り出る事業者はなかった。
同社協は同センターで行っていた業務を、企業の保養所だった建物を改修した施設などで継続する。「現在の利用者が(廃止で)困らないようケアしていきたい」としている。
市は同センターの活用方法を検討したが、雨漏りや給水ポンプの不具合など老朽化が進み、修繕に約3千万円かかる見込みであることなどから廃止を決めた。今後の活用方針は未定という。
同センターは鉄骨地上3階、地下1階で、延べ床面積は約1390平方メートル。15年4月にはリハビリルームや市民交流スペースを設置した。デイサービスの登録者は約200人で、交流スペースなども含めた16年度の年間利用者は延べ約1万6千人だった。