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愛と平和を歌って四半世紀 市民合唱団「いちばん星」に人権賞

社会 | 神奈川新聞 | 2018年2月11日(日) 12:14

授賞式で「歌詞」を大事にする合唱を披露した団員=4日、横浜市中区の市開港記念会館
授賞式で「歌詞」を大事にする合唱を披露した団員=4日、横浜市中区の市開港記念会館

 川崎で「愛と平和」をテーマに歌い続けてきた混声市民合唱団「いちばん星」が、人権擁護の分野で優れた活動をした個人・団体に贈られる「神奈川県弁護士会人権賞」を受賞した。4日に横浜市内で行われた表彰式では、団員たちが合唱を披露するとともに、あらためて愛や平和への思いを強くした。

 せめて、せめてです せめて われわれが平和憲法を守り抜かなければ 愚かな戦争で死んだ人たちの魂は安らかに眠れません それが誓いであり、手向けです

 メンバー最高齢の96歳。シベリア抑留経験がある隅谷嘉三さんの重厚な声が先陣を切って響き渡った。歌詞の意味を伝えようと、美しいハーモニーで言葉を紡いだ。

 「いちばん星」は1992年に川崎市内の教職員らを中心に誕生。作曲家の中田喜直氏らを招くなど、市民合唱団として発展した。95年には「川崎と戦争」をテーマに市民らから詩を募集したり、東日本大震災後には被災した岩手県釜石市などを慰問したり。照井携子代表は「歴史の節目、社会の出来事に目を向けながら、命、平和、自然へのメッセージを合唱で伝える努力をしてきた」と言う。

 団員は現在47人。平均年齢は60代後半だ。川崎市高津区での週1回の練習のほか、年に1度は2泊3日の合宿もある。毎年「沖縄」や「広島」などのテーマを決め、時代背景を学習するために現地へ赴くこともある。「ただ、ハーモニーがそろえば良いというわけではない。言葉の意味をくみ取らないと」。だからこそ、コンサートでは譜面を見ない「暗譜」を徹底する。

 時代に寄り添い、新しい言葉を届けてきた。照井代表は「誰もが平和のうちに生きる権利を奪われないため、市民としっかり結び付いた活動をしていきたい」との思いを歌声に乗せる。

 
 

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