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地域力担う人々
若者を呼び込む魅力 閉校の地に集う(上)

社会 | 神奈川新聞 | 2018年2月11日(日) 12:00

旧牧郷小学校の木造校舎の前に立つ倉田さん
旧牧郷小学校の木造校舎の前に立つ倉田さん

 過疎化や少子化の影響で2003年3月に閉校となった相模原市緑区牧野の牧郷(まきさと)小学校。校舎や校庭を地域の中心として残そうと、住民らが「あすの牧郷をつくる会」を発足させ、15年になる。伝統行事の開催や学校周辺の環境整備、移住者の相談役など、さまざまな役割を担ってきた。熱心な活動は都市部から若い世代を呼び込む地域の魅力にもなっている。

 山梨県境に近いJR中央線藤野駅から約5キロ。丹沢山麓の里山に築50年の木造校舎が見えてくる。統廃合で130年の歴史に幕を閉じた牧郷小学校は「牧郷ラボ」と名付けられ、アーティストのアトリエなどとして活用されている。

 あすの牧郷をつくる会のメンバーは、秋に収穫祭、冬にどんど焼きを校庭で開き、年4回の資源回収で運営資金をつくり、学校周辺の定期的な環境整備を行ってきた。代表の倉田典昭さん(66)は「(住居表示にはない)牧郷の名前を残したい。小学校がなくなっても学校に集まりたいと思ってきた」と振り返る。

 校舎を拠点とするアーティストらと協力し、2015年までアートフェスティバル「ひかり祭り」を開催。3日間で約5千人が集まり、緑豊かで開放的な雰囲気がある牧郷のファンになった人が増えた。鉄道や高速道路を利用して都内に出やすく、自然あふれる環境を求めて都市部から移り住む人も目立つ。

 倉田さんたちはそうした若い世代との交流を大切にしている。移住を促進する藤野観光協会の佐藤鉄郎事務局長は「外に広げる発信力、優しく引きつける『マグネット力』がある」と活動に期待を寄せる。

 移住した若いファミリーには、地元でたくましく動く「おやじ」たちのパワーあふれる姿が、まぶしく映るようだ。都内から旧牧郷小近くに移住して1年が過ぎた星野諭さん(39)一家も、その魅力に引かれた。妻妙子さん(40)と長男叶和君(5)はすっかり倉田さんと顔なじみとなっている。

 星野さんはNPO法人「コドモ・ワカモノまちing」の代表理事。1級建築士でプレイワーカー、地域コーディネーターの肩書で東京都千代田区を拠点に仕事をしてきた。カラフルなワゴン車で現代版紙芝居屋として放課後や休日に道や広場に現れ、世代を超えた遊びを広めている。

 星野さんを魅了したのは「おやじたちのかっこよさ」。自然と向き合い、自分たちでたくましくなんでも手作りしていく姿だった。「スペシャリストがいっぱいいますね。ここは自然力とおやじ力の掛け算で、魅力が膨らんでいる」

 閉校して15年たっても、新旧住民が集うのは校庭や校舎だ。倉田さんは言う。「学校はなくなったけど元気だよ、と発信したい意識がみな強いと思います」

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