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「光触媒」、50年の集大成 東京理科大学長 藤嶋さんが刊行

社会 | 神奈川新聞 | 2018年2月5日(月) 10:48

新著「第一人者が明かす光触媒のすべて」を出版した藤嶋さん=東京理科大学長室
新著「第一人者が明かす光触媒のすべて」を出版した藤嶋さん=東京理科大学長室

 2017年度文化勲章受章者で東京理科大学長の藤嶋昭さん(75)=川崎市中原区在住=が長年研究してきた「光触媒」の集大成として、「第一人者が明かす光触媒のすべて」(ダイヤモンド社)を刊行した。発見から50年がたち、さまざまな分野や商品に活用されている光触媒の「すべて」が紹介されている。

 藤嶋さんは1967年、酸化チタンに代表される光触媒に光を当てると水を分解する「本多・藤嶋効果」を発見。抗菌・抗ウイルス、防汚(ぼうお)、防曇(ぼうどん)、脱臭、大気浄化、水浄化の6大機能を持ち、新幹線の空気清浄機や、ルーブル美術館のピラミッド形入場口のガラス、クフ王の大ピラミッド隣接の発掘作業用テントの室温抑制、国際宇宙ステーション(抗菌・脱臭)などで活用されている。

 こうした功績から藤嶋さんは毎年、ノーベル化学賞の受賞候補に名前が挙がっており、昨年11月には文化勲章を受章。藤嶋さんは、同書について「光触媒が中学高校の教科書で紹介されるなど、浸透してきた。最近では、日光東照宮の防かびのための漆プロジェクトや、アフリカ・東南アジアでのマラリアを防ぐための蚊取り器などの研究も進んでいる。最新の研究成果を含め、わが人生の集大成という意気込みでまとめた」と話す。また「今後『環境立国』を目指す日本の若い研究者らが、読んで何らかのヒントを得てくれたら」と願っている。

 A5判256ページ。2376円。問い合わせは、ダイヤモンド社電話03(5778)7240。

 
 

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