「自分には責任能力がある」─。相模原市緑区の県立知的障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者ら45人が殺傷された事件の公判で、初の被告人質問に臨んだ元職員植松聖被告(30)は、責任能力がないとして無罪を主張している弁護人の主張をよどみなく否定した。
弁護側は、事件前に常習的に使っていた大麻の影響で被告が心神喪失か心神耗弱の状態だったとして責任能力を争う構えだが、被告と弁護側で主張が食い違う構図が浮き彫りになった。
被告は午前10時半、6人の刑務官に囲まれてスーツ姿で法廷に現れた。初公判でかみちぎろうとした右手の小指には包帯が巻かれ、青沼潔裁判長から促されると、証言台の前で深く一礼してからいすに腰掛けた。
冒頭、弁護側の主張に対する自身の見解を問われた被告は「責任能力を争うのは間違っている」と指摘。