横浜市は25日、防災会議を開き、市防災計画震災対策編の修正案を承認した。2016年の熊本地震で問題となった車中泊について、健康被害や交通への影響を回避する観点から抑制する方針を初めて盛り込んだ。こうした規定は全国的にも珍しいという。
熊本地震では、余震への不安などから車内で寝泊まりする被災者が多く、所在の把握や支援物資の提供などに支障を来した。車中泊やその後の避難生活などで体調を崩して亡くなる「震災関連死」は熊本、大分両県で200人を超え、大きな問題となっている。
修正計画では、車中泊を全て防ぐのは困難だとして早期解消を図る方針も打ち出した。日頃から車中泊による健康被害の危険性などの啓発に努め、震災時は市内459カ所の地域防災拠点(避難所)への車の乗り入れも禁止する。
ペットの同伴やプライバシーなどを理由に車中泊を希望する避難者に対しては、高齢者や障害者らを受け入れるため介護施設などから指定する「福祉避難所」の案内や、間仕切りの設置などを通じた避難所環境の改善により理解を求める。
また、災害廃棄物の処理について、倒壊に至らなかった建物の片付けで発生するごみを一般の燃やすごみと分別して収集、処理することも盛り込んだ。市は修正計画の4月からの運用開始を目指す。
災害時のトイレ問題
横浜で講演
「災害時のトイレ問題」をテーマとした講演会が27日、横浜市神奈川区沢渡の市民防災センターで開かれる。26日まで参加者を募集している。
市が主に避難所対策として整備を進めている下水道管直結式の「ハマッコトイレ」について、市の担当者が説明。NPO法人日本トイレ研究所の加藤篤代表理事が、最近の災害で浮き彫りになったトイレの問題などを取り上げる。
午前10時~正午。定員150人。問い合わせは、市民防災センター電話045(411)0119。