1. ホーム
  2. ニュース
  3. 社会
  4. 【川崎転落死初公判】「何もやっていない」 元施設職員が無罪主張

【川崎転落死初公判】「何もやっていない」 元施設職員が無罪主張

社会 | 神奈川新聞 | 2018年1月24日(水) 02:00

横浜地裁
横浜地裁

 川崎市幸区の介護付き有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」で入所者の男女3人を投げ落として殺害したとして、3件の殺人罪に問われた元施設職員の男(25)の裁判員裁判が23日、横浜地裁(渡辺英敬裁判長)で始まった。被告は「私はいずれも何もやっていない」と起訴内容を否認。弁護側も事故の可能性があるなどとして無罪を主張した。

 被告は県警の任意の事情聴取で殺害を認めたため2016年2月に逮捕。逮捕3日後から黙秘に転じており、公判は黙秘前にあった被告の自白の信用性が最大の争点となる。

 検察側は冒頭陳述で、任意聴取時の被告の供述内容を明らかにした。当初は入所者に頼まれて投げ落としたと説明したが、後に明確な殺意があったと認め、自身の家族にも同様の告白をしたと述べた。

 また最初の転落死と2度目の転落死の後、被告が同僚に対して、次に起きる転落死の被害者をそれぞれ名指しして予言していたとも指摘した。

 弁護側は「事故や自殺、第三者が関与した可能性がある」とし、事件性と被告の犯人性のいずれも否認。自白に関しても警察の執拗(しつよう)な取り調べがあったとし、「強い圧迫感を受けて虚偽の供述を重ねてしまった」と信用性を否定した。

 被告には自閉症スペクトラムの発達障害があり、刑事責任能力についても争うとした。

 被告と同時期に勤めていた職員の証人尋問もあり、3件目の転落死後に被告を夜勤から外した理由について「外部や職員に疑いの目があった」と述べた。外部の人間に犯行が可能かを問われると「侵入してから職員に気付かれると思う」とし、否定的な見解を示した。

 起訴状によると、被告は14年11月3~4日、入所する男性=当時(87)=を施設のベランダから投げ落として殺害。翌12月9日に女性=同(86)=を、同31日には女性=同(96)=をそれぞれ同様の手口で殺害したとされる。

 公判は3月1日の第23回まで期日が指定済み。横浜地裁の裁判員裁判では過去最多の公判回数となる。判決は3月中にも言い渡される見通し。
 

自白の信用性 自白とは犯罪事実の全部、あるいは重要部分を認める供述。信用性は供述内容が信用できるかどうかが問われる。具体的には、客観的証拠や動かしがたい事実との整合性の有無、自白に至った経緯や動機、内容の変遷や合理性、犯人しか知り得ない「秘密の暴露」があるかどうかなどで判断される。違法な取り調べを防ぐため、警察や検察での取り調べ状況の録音・録画(可視化)を義務付ける改正刑事訴訟法が2016年に成立している。

次の転落死を予言


 およそ2カ月のうちに相次いだ転落死を巡り、検察側と弁護側の主張は真っ向からぶつかっている。元施設職員の被告が引き起こした「事件」とする検察側に対し、弁護側は入所者が誤って転落した「事故」の可能性を強調した。

この記事は有料会員限定です。

月額980円で有料記事読み放題。詳しくはこちら

川崎3人転落死に関するその他のニュース

社会に関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

アクセスランキング