
日本最初のレッドデータブックは、日本自然保護協会と世界自然保護基金日本委員会が1989年に発行した「我が国における保護上重要な植物種の現状」である。続いて91年に環境庁(当時)から「日本の絶滅のおそれのある野生生物」が出版されると、今度は各地の現地調査に基づいた地方版レッドデータブックが必要との機運が高まった。
神奈川県では県立生命の星・地球博物館の調査研究事業として、95年に最初のレッドデータブックを作製し、全国でも先駆け的な取り組みとして注目された。しかしそれは同時に、多くの種が絶滅し、生物多様性が脅かされている県内の深刻な実態が初めて明らかになることでもあった。
このとき絶滅と評価された種は195種、絶滅危惧種は420種に上った。2006年の改訂版では数値はさらに悪化(表参照)。10年以上を経て再改訂の必要性を痛感している。
県立生命の星・地球博物館(小田原市)では企画展「レッドデータの生物~知って守ろう神奈川の生き物たち」を2月25日まで開催。問い合わせは電話0465(21)1515。