認知症の人や介護する家族らが集い情報を交換できる「やまとカフェ(認知症カフェ)」の運用を大和市が本格的に始めてから1年半が経過した。医師による相談の場が設けられるのが特徴で、徐々に参加の輪が広がっている。
カフェには、70代を中心に10人程度から十数人が参加している。認知症の人を連れずに家族だけで参加する人もおり、参加形態はさまざまだ。
参加者は自己紹介し、歓談の場が1時間程度設けられる。医師が参加して相談用のブースが設置されるほか、認知症の治療や食事を題材にした10分程度の講話も行われる。
市高齢福祉課によると、介護者の家族からは「(本人の)笑顔や冗談を言う姿などを見られた」といった感想が聞かれるという。カフェに通うことで、外出に抵抗がなくなった認知症の人が、デイサービスを利用するようになった実績も生まれている。家庭での介護について家族同士で会話を交わす姿も見られるという。
市が認知症カフェを試行したのは、2016年1月。市内在住者を対象に同年5月以降、市保健福祉センター(鶴間)で定期的に開催してきた。今年度はこれまで6回開催し、運営には地域包括支援センターの職員やボランティアらが携わっている。
同カフェは国策定の認知症施策推進総合戦略の中で普及が掲げられている政策の一つ。認知症の人らが気軽に交流できる社会参加の場の提供や介護者の精神的・身体的負担の軽減を目指してきた。市は「気持ちが和らぐ場」として地域に定着させていきたい考えだ。
次回は来年2月24日。問い合わせは、市高齢福祉課電話046(260)5612。