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論説委員が振り返る2017年〈下〉

社会 | 神奈川新聞 | 2017年12月31日(日) 11:02

悲願のJ1初制覇を果たし、喜ぶ川崎フロンターレの選手たち=12月2日、等々力陸上競技場
悲願のJ1初制覇を果たし、喜ぶ川崎フロンターレの選手たち=12月2日、等々力陸上競技場

人権意識の共有こそ


社会
 -ヘイトスピーチ解消法が制定されて1年を経てさらなる解消に向けた動きが出ている一方、人権意識を欠いた政治家の発言も目立った。

  政治家の失言にどこか「寛容な」社会が、レイシストに「寛容な」空気をつくってはいまいか。

  政治家の差別発言を私たちが「またか」と諦念しては駄目だ。厳しい目を向け非難しないと。ヘイトスピーチを許すような社会は子どもたちにも深刻な影響を与える。

  ヘイトスピーチ被害を止めるには事前規制は欠かせない。川崎市が公的施設利用を不許可にできる指針を策定したのは大きな一歩だ。市は今後、人種、障害、性別などあらゆる差別の根絶を目指す条例制定も目指しており、差別根絶へ前進し続けてほしい。

 -横浜市教育委員会の原発いじめ問題や小田原市の生活保護受給者を威嚇するようなジャンパーも問題化した。

  原発いじめの問題は大人社会の映し鏡といえる。横浜市教委の対応も非常にまずかった。

  横浜市教委はいじめの再発防止策に取り組むが、法や指針だけでは防げない。学校だけでなく周囲の大人が感度を高め、子どもたちを見守りたい。

  日本社会の病理の根源は「人権」という普遍的価値の共有の欠如だ。憲法論議と合わせ、認識を深めたい。

 -電通などの過労死問題に端を発した働き方改革もクローズアップされる。

  積み残しになっている労働基準法の改正案で、政府が導入を目指す高度プロフェッショナル制度などは、長時間労働を助長しないか、懸念が多い。結論を急がず、丁寧な議論をする必要がある。

  先のいじめの問題にもつながるかも知れないが、教員が忙し過ぎて生徒を細やかに見ることができないのではないか。

  教員の長時間労働是正に向けた動きが本格化している。部活動抑制などで今度こそ成果を出したい。

  親子で長期休暇を取るために来年度から導入されるキッズウイークも、長年50%を切っている年次有給休暇の取得率の改善を先に行わなければ、実効性はない。

SNS 負の面に焦点


事件事故・災害
 -昨年の相模原の障害者施設での殺傷事件や横浜の点滴連続殺人など凄惨(せいさん)な事件に続いて、座間の9遺体事件が起き世の中を震撼(しんかん)させている。

  若者の悩みにつけ込んだとされる犯行態様は卑劣極まりないが、容疑者自身も闇を抱えていたのか。「なぜ」は尽きない。

  座間の事件で被害に遭ったのは若い男女。利便性とともに会員制交流サイト(SNS)の持つ落とし穴などを若年層に伝える教育も必要だろう。

  今回の事件で、当局の行方不明者の捜索活動における難しさもあらわになった。個人情報の壁や捜索に割ける人員といった課題も考えさせられる。

 -SNSの功罪を含め規制も論議されている。

  サイト閲覧制限の動きもあるが、若者が苦しい心情を吐露する場を失う。一律規制はむしろマイナス面もあると思う。

  SNSの普及でかえって人々の孤立が進んだ気がする。「輪」の内外がはっきりし、部外者への不寛容、排外、攻撃が深刻だ。

  難しい側面もあるが、一定の規制は必要だと思う。

 -東名のあおり運転に追い詰められた末の事故も痛ましかった。

  全国の警察はあおり運転などの悪質運転の摘発に力を入れる構えだ。ハード面の車の安全性は向上しているが、ソフト面、ドライバーの「心」にも目を向けなければいけない。これまた難題だ。

  「ロードレイジ」といって世界的な問題になっている。車は年々安全性が高まっているのに、肝心のドライバーが暴走するようでは本末転倒だ。世のとげとげしさの現れで恐怖感を覚える。

 -県内では台風による高潮被害などの自然災害も脅威を感じさせた。

  温暖化による水害の深刻化は、既に現実となっている。行政を当てにせず、自助、共助で避難行動を早めるしかない。相模湾を中心とした台風の高潮被害は、海面上昇の脅威を物語る。砂浜消失の問題にも目を向けたい。

“かなスポ”に脚光


文化・スポーツ
 -スポーツはベイスターズといい、フロンターレといい今年は神奈川勢が躍進した。

  DeNAはベイスターズのチーム強化、経営面でも成功し、今後は

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