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やまゆり園 事件考
被害者はいま(2) 息子の幸せ探し求め

社会 | 神奈川新聞 | 2020年1月6日(月) 10:28

 重度の知的障害がある尾野一矢さん(46)がやまゆり園に入所したのは1996年。23歳のときだった。中学1年のときに障害児施設に入所して以来、35年ほどにわたって施設で暮らしてきた。両親共働きで世話をする余裕はなく、他に選択肢はなかった。

 「施設で穏やかに過ごせれば、それでいいのではないか」。父の剛志さん(76)は2015年度まで17年にわたって家族会会長を務め、園が一矢さんの「ついのすみか」になると信じて疑わなかった。


食後に一息つく(左から)尾野一矢さん、大坪寧樹さん、尾野剛志さん、チキ子さん=2019年12月18日、横浜市港南区
食後に一息つく(左から)尾野一矢さん、大坪寧樹さん、尾野剛志さん、チキ子さん=2019年12月18日、横浜市港南区

選択肢

 事件後、施設の再建を巡って論争になった。生活が管理されがちな大規模施設ではなく、自由度の高い少人数のグループホーム(GH)などで暮らす「地域移行」を求める声が障害者や支援者から上がった。だが、剛志さんは「重度知的障害者を受け入れるGHはどれだけあるか」と反論、大規模施設としての再建を訴え続けた。

 転機は、映画監督の宍戸大裕さん(37)との出会いだった。

 
 

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