横須賀市大滝町2丁目の斜面で起きた崖崩れで、崖下の私道をふさいでいる土砂の撤去作業の着手が来年1月以降になることが分かった。管理している県横須賀土木事務所は、2019年度中には撤去を終えたい考え。一方、近くの三笠ビル商店街などで一部店舗が休業しており、関係者は早期の復旧を求めている。
県横須賀土木事務所によると、崖崩れは16日夜、同所の私道沿いの斜面で発生。現場は私有地で、岩や樹木で覆われた高さ40~50メートルの崖になっている。
崩れたのは、幅約20~30メートル、高さ約30メートルの部分。落石防止網や落石防止柵も一部で破損した。同事務所はさらなる崩落の恐れがあることから、同日から私道を通行止めとしたほか、仮設の落石防止柵を設置する作業を進めている。
本格的な作業は来年1月以降になる見込みで、まず崖上の樹木を伐採し、斜面の状態を確認しながら不安定になっている土砂を手作業で取り除く。安全が確保され次第、崖下の土砂を重機で撤去する方針という。
周辺の店舗では、休業を余儀なくされているところもある。近くのカラオケ店は、崖崩れの影響でガスが利用できなくなったことなどから、ほぼ休業状態に。女性店長は「年末年始の繁忙期なので早く復旧してほしいが…」と漏らす。
現場の斜面が裏手に当たる三笠ビル商店街でも、78店舗あるうちの2店舗が休業。同商店街協同組合の野坂英八理事長は「早く営業を再開できるよう、組合としてもできる限りのことをしたい」とし、対策としてプロパンガスの一時的な導入を決めた。
同事務所によると、現場の斜面は1972年3月に急傾斜地崩壊危険区域に指定され、97年5、6月に崖崩れが相次いで発生。県が落石防止柵を設けるなどして管理している。今回の崩落の原因について、同事務所は調査中としている。