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アルコール依存症からの回復 自助グループで苦しみ共有

社会 | 神奈川新聞 | 2017年12月3日(日) 11:47

アルコール依存症者の支援者らを対象に開かれた「AA広報フォーラム」=横浜市開港記念会館
アルコール依存症者の支援者らを対象に開かれた「AA広報フォーラム」=横浜市開港記念会館

 全国に109万人の患者がいるというアルコール依存症。飲酒していれば誰でもなる可能性があり、酒を止めることで「回復」はしても、「完治」はしない病気だ。病院での治療などと併せて力になるのが、アルコール依存症者が集う自助グループ。その一つ、「アルコホーリクス・アノニマス」(AA)の横浜地区メッセージ委員会が11月、横浜市内で広報フォーラムを開き、「AAが依存症からの回復にどう役立ち、社会と協力していけるか」を医療・福祉を中心にした支援職らとともに考えた。

 「きょう一日酒をやめれば明日がある。昔は明日なんてなかった」「頭にくることがあって飲んでやると思っても、AAに来てからは『きょう飲むのはやめておこう』と飲酒欲求が引いていくようになった」

 フォーラムでは、メンバーによる「模擬ミーティング」が行われた。テーマを定め、言いっぱなし、聞きっぱなしで自分の飲酒にまつわる話をする。家族関係が壊れたり、仕事を失ったりしたこと。飲酒の問題を抱えた家族の中で育ったこと。深刻なだけでなく、笑いが起きることもある。そこで話し、当事者だからこその共感を得られることが回復につながっていくという。

 AAはアルコール依存症の世界的な規模の自助グループ。1935年に米国で生まれ、日本では75年にスタートした。AAとは「アルコール依存症で無名の人」という意味。飲酒をやめたいと願う人がメンバーになり、匿名で参加する。



 会費や名簿などの登録、予約は必要ない。ミーティングに加え、独自のプログラムを通じて再飲酒を回避し、自分とは違う人と生きていくことを学ぶ。メンバーには、参加を続けて30年以上飲酒が止まっている人もいる。同市内では26グループが活動しており、年中無休でミーティングが開かれているという。

「安心できる場所」



 アルコール依存症は、「意志が弱いから飲酒をやめられない」など、誤解されることの多い病気だ。実際には、小さなきっかけで誰でもなる可能性がある。

 メンバーの一人で同市内に住む女性(34)が初めて飲酒したのは大学に入学した時。歓迎会で飲むと、人見知りなのに誰とでも話せた。「あなたと飲むと楽しい」と言われ、人間関係を築くために酒を使うようになった。

 24歳で、酒が切れて手が震える依存症の症状が出た。仕事帰りにコンビニで買った酒を一気飲みすると、それが止まる。「理由があって飲んでいる。私はおかしくない」。通院も拒否していたが、アルコールを求めて自宅でみりんを一気に飲んで病気を自覚。26歳で入院した。

 退院後は「意志と根性で」1年ほどは酒をやめられた。しかし会社の飲み会をきっかけに、ずっと飲み続ける連続飲酒に陥った。駅のトイレで酒を飲んでから会社に行く生活に、「どうして飲むのか、自分でも理解できなかった」という。家族に責められ、自分もつらいのにやめられず、2度目の入院時にAAに通うことを決めた。

 ミーティングでは、自分の話をメンバーがうなずきながら聞いてくれた。場違いなことを言っても否定されず、「初めての安心できる場所。こんな自分でも人の役に立てる」とうれしかった。活動するうちに、自分が育った家族に問題があったことにも気がついた。飲酒が止まって6年になる。「必ず共感してくれる人はいるし、一人じゃない」と実感している。

患者に活用呼び掛け

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