介護大手ツクイ(横浜市港南区)の子会社で車両リース事業などを手掛けるツクイキャピタル(東京都港区)は、起業家育成などを行うネクストシフト(鳥取県)と共同で2018年1月、介護・福祉・医療に特化したベンチャーキャピタルファンド「ツクイ・ケアテック投資事業有限責任組合」を設立する。ツクイキャピタルのほか金融機関などから資金を調達し、10~20億円規模を目指す。
同ファンドは、介護や福祉、医療に関連するIoT(モノのインターネット)や人工知能(AI)、ロボットなどの先端技術の開発を進めるベンチャー企業を発掘し、投資する。運用期間は10年間。
背景には、介護、医療分野で先端技術を活用した生産性向上や業務負担の軽減が課題となっていることがある。また、ベンチャー側も商品開発のために事業会社との連携の機会や投資家を求めており、ツクイ側には実証実験などの打診が相次いでいた。16年夏には、同社と靴メーカー、セキュリティー機器製造販売業者が連携し、認知症の高齢者のひとり歩きの早期発見に役立てる捜索システムの実証実験が実現した。
ツクイは「ベンチャーのアイデアや技術のノウハウをこちらも取り入れるとともに、企画段階から介護事業者としての思いを一緒にしたい。ベンチャーの手伝いをしながら、一緒に大きくなれれば」と話している。