1. ホーム
  2. ニュース
  3. 社会
  4. 公判に向けて(2) 状況がつくる障害者観

やまゆり園 事件考
公判に向けて(2) 状況がつくる障害者観

社会 | 神奈川新聞 | 2019年12月18日(水) 18:00

日本障害者協議会代表
藤井 克徳さん

 やまゆり園事件に限らず、看過できない社会事象は個別要因と背景要因の双方から見なくてはならない。

 個別要因は植松聖被告(29)に帰属する問題。心理学、精神医学も動員して裁判でぜひ究明してほしい。背景要因は生まれ育った社会というバックグラウンド。彼が初めて勤務した職場も含まれる。背景要因は社会で考えるテーマだろう。

公判に向けて(1)「関係ない」風化に拍車
公判に向けて(3)嫌な人も排除しない


やまゆり園事件から3年がたち、施設内に設けられた献花台には多くの人々が花を手向け、犠牲者の冥福を祈った=7月26日、相模原市緑区
やまゆり園事件から3年がたち、施設内に設けられた献花台には多くの人々が花を手向け、犠牲者の冥福を祈った=7月26日、相模原市緑区

 安倍晋三首相は2017年1月の通常国会の施政方針演説で事件について初めて語ったが、「精神保健福祉法に不備があり、それを変えればいい」という論法で終わった。国会で集中審議をする気配もなかった。行政府では何も総括、検証されていない。司法として個別要因に加えて背景要因に肉薄しなければ犠牲者や負傷者は浮かばれない。

 今年2月から3回、植松被告と会った。彼は「心失者」という言葉を使うが、私の経験から「どれほど障害が重くても心は皆にある」と話した。養護学校の教員時代、母親の顔も識別できないといわれていた子どもが入学した。短調の音楽を流すと目に涙をためる。私たちにはないほどの感性で音楽を聴いている。「これこそ心じゃないか」と。

 拘置所での接見の帰路、(同行者に)「彼の顔色が変わった」と言われた。心の話になると、彼がいらいらしてくるのが分かる。核心に触れてくると態度を硬化したり、変化が出てきたりということがあった。

この記事は有料会員限定です。

月額980円で有料記事読み放題/100円で24時間読み放題のコースも。詳しくはこちら

相模原障害者施設殺傷に関するその他のニュース

社会に関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

アクセスランキング