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災害は最悪想定し備えを
「市役所は大混乱に」 大西熊本市長が鎌倉で講演会

社会 | 神奈川新聞 | 2017年11月20日(月) 09:50

熊本地震の経験や反省を率直に語る大西市長=鎌倉商工会議所ホール
熊本地震の経験や反省を率直に語る大西市長=鎌倉商工会議所ホール

 昨年4月の熊本地震で自らも被災しながら災害対応に当たった熊本市の大西一史市長が19日、鎌倉市内で講演し、当時の混乱や反省点を振り返った。「行政は水の一本も届けられない」と発生直後は機能不全に陥る公助の実情を率直に明かし、「3~5日間は自分で生き抜けるように備蓄を」と訴えた。

 大西市長は昨年4月14日の前震後、着替えを取りに戻った自宅で16日未明の本震に遭遇。激しい揺れで割れたものを踏んでしまい、足に10針を縫うほどのけがをしたまま、妻の運転する車で市役所に向かった。

 市内では6人が地震の直接的な影響で亡くなったとした上で、「前震、本震とも夜でなく昼間の発生だったら、熊本城だけで数百人は犠牲になっていたかもしれない」と強調。同様に歴史や文化財を生かした観光を軸とする鎌倉の人々に、最悪を想定して備えることの大切さを呼び掛けた。

 一方で、避難者が押し寄せ、相談や批判の電話が鳴りっぱなしの市役所は「大混乱」に。職員の足りない配送拠点には物資を載せたトラックが列をなし、「ドライバーが8時間も待たされる状況」に陥った。

 市の指定避難所の一部が被災し、開設できなくなる中、余震への恐怖から車中泊を選ぶ被災者が続出。市民5千人を対象にした地震後のアンケートでは、指定避難所に避難した人は3割余りにとどまり、約4割が車中泊を経験していたことが明らかになった。

 「マニュアルなんて本当に役に立たない」と実感を込めた大西市長。「自分の身は自分で守る」「みんなで助け合う」「市役所は救助・支援をする」を災害時の「三助」に挙げ、「それぞれ限界がある。大切なのは人のつながり」と結んだ。

 講演は、被災地支援を続ける防犯・防災団体「鎌倉ガーディアンズ」(大津定博代表)が主催した。

 
 

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