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差別根絶条例、「史上初、意義大きい」 弁護士講演 川崎

社会 | 神奈川新聞 | 2019年12月15日(日) 05:00

条例の意義を解説する師岡弁護士=13日、川崎市ふれあい館
条例の意義を解説する師岡弁護士=13日、川崎市ふれあい館

 川崎市で12日に成立したヘイトスピーチに刑事罰を科す条例の意義を学ぶ講演会が13日夜、同市川崎区の市ふれあい館で開かれた。ヘイトスピーチの問題に詳しい師岡康子弁護士は「差別は犯罪」と定めた全国初の条例がもたらす変化を解説。「市や市議会の姿勢を評価し、差別をなくすための取り組みを共に出発させよう」と呼び掛けた。

 同館が主催する人権尊重学級の一つ。条例の成立翌日の開催となり、熱心にメモを取る参加者の姿が関心の高さをうかがわせた。

 「条例の制定を皆さんと祝いたい。被害者の勇気ある訴えを市民が支え、世論を動かした結果だ」と切り出した師岡弁護士は「日本の歴史上初めて差別を犯罪と位置付けた意義は大きい」と国の法律に先んじて刑事規制に踏み込んだ条例を高く評価した。

 市議会の採決では全会一致で可決されており、「へイトスピーチを止めるには罰則が必要という認識が自民党を含めて共通になった」と強調。「他の自治体が続くための大きな一歩になり、何より本来、法規制するべき国に差別禁止法を求める力になる」と指摘した。

 差別的言動を繰り返した者を市が刑事告発する「川崎方式」にも言及。「市の告発を受けた検察庁、裁判所は差別的言動があったか否かを判断する。差別について研修し、基準をつくらないと対応できない。条例が検察、裁判という国単位の仕組みを変えていくことになる」との見通しを示した。

 市は条例の解釈指針などを定めるとしており、師岡弁護士は「インターネット上のヘイト被害に対する措置を含め、実効性のある運用を市民が要望し、一緒につくっていくことが大事だ」とも提案した。

 「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例(差別根絶条例)」は全ての市民が差別を受けることなく暮らせるまちづくりを掲げ、人種や国籍、性的指向や出身、障害などを理由にしたあらゆる差別的取り扱いを禁止。在日コリアンを標的に行われているヘイトスピーチについては深刻な被害がやまない現状を踏まえ、最高50万円の罰金を科すことにした。罰則は来年7月1日から適用される。

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