葉山町で昨年3月に無職男性(84)方が全焼した火災で、県警捜査1課と葉山署は10日、保険金目的で火を付けたなどとして、詐欺未遂や現住建造物等放火などの疑いで、直前まで同居していた次男夫婦ら4人を逮捕した。火災の1カ月半前には男性の妻=当時(81)=が倒れて死亡しているのが同町の山道で見つかっており、県警は事件の可能性があるとみて捜査している。
県警は詐欺未遂容疑で、男性の次男の大工(59)=埼玉県川口市、同容疑と現住建造物等放火容疑で、次男の妻(50)=同=の両容疑者を逮捕。ほかに現住建造物等放火容疑で、妻と元夫との間の無職息子(27)=同、同ほう助容疑で、中国籍で妻の知人(36)の両容疑者も逮捕した。
逮捕容疑は、次男の妻、無職息子の両容疑者は昨年3月24日午前2時ごろ、同町木古庭の男性方に火を付け、木造2階建て約200平方メートルを全焼、隣家も全焼させるなどし、妻の知人の容疑者は同23日、放火の計画を知りながら次男の妻の容疑者に車を貸すなどした、としている。
次男夫婦の両容疑者の逮捕容疑は、昨年4月から今年3月にかけて、複数回にわたり火災保険金をだまし取ろうとした、としている。同課は認否を明らかにしていない。
男性方では火災の2日前にも不審火があり、男性が足にやけどを負って入院。同居していた次男一家は不審火の後、埼玉県に移り住んでいた。
県警は、無人だった室内から出火したとみられることなどから捜査していた。
また、男性の妻は昨年2月10日午後11時ごろ、自宅から約1・5キロ離れた同町上山口の山道で、頭から血を流して倒れているのを、行方を捜していた警察官らが見つけた。頭蓋骨が陥没しており、死因は出血性ショックだった。
県警によると、男性方には以前、男性夫婦と次男一家が暮らしていた。