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「川崎ダルク」開設15年 女性専用施設へ資金集め

社会 | 神奈川新聞 | 2019年12月10日(火) 11:34

施設の移転について話す岡﨑理事長=川崎市中原区
施設の移転について話す岡﨑理事長=川崎市中原区

 薬物依存症者のリハビリ施設「川崎ダルク」(川崎市中原区)が開設15年を迎えた。市内唯一のダルクとして、これまで300人以上の回復の手助けをしてきた。女性専用施設「Cozy Place(コージープレイス)」の移転に向け、10月からは資金集めにも着手。岡﨑重人理事長は(39)「よりよい支援ができるよう適切な場所に移転できれば」と話している。

 川崎ダルクは市内に依存症専門の病院が少なかったことから、市職員や病院のケースワーカーらが中心となり2004年に設立された。薬物をはじめ、アルコールやギャンブルなどの依存症からの回復を目指し、現在は20~50代の男女約20人が入所や通所で利用している。

 開設15年を迎えた男性用施設デイケアセンターでは、仲間同士での会話を軸とした支援プログラムを行っている。琉球太鼓の演奏を取り入れている点が特徴で、年間30回程度、老人ホームや障害者施設での演奏もこなす。岡﨑理事長は「共同生活でのストレス解消や仲間同士の一体感の醸成になる」と相好を崩す。

 コージープレイスは14年に開設。3年ほど前に、当時入居していた物件の家賃が支払えなくなったものの、現在の物件の大家から部屋を借りることができ今日に至る。

 女性の依存症患者は増加傾向にあるといい、「通所者が増え、ワンルームマンション2部屋では手狭になってきた」と岡﨑理事長。プライバシー面など設備の充実化も欠かせず、移転費用として21年末までに300万円の寄付を募ることにした。

 ただダルクの移設は容易ではない。物件所有者が首を縦に振らないケースが多いからだ。岡﨑理事長は「懇意の不動産業者の協力でなんとか活動場所を確保している状態」と訴える。

 ダルクに通っていても自然と足が遠のき姿が見えなくなる利用者も少なくないのが現実で、岡﨑理事長は「地域の方々とのつながりを大切にしながら、むやみに規模の拡大を図るのではなく、身の丈に合った支援をしていきたい」と意欲を見せている。

 寄付金などの問い合わせは、川崎ダルク☎044(798)7608。

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