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歴史直視し真の和解を 旧日本軍の虐殺、遺族が証言

社会 | 神奈川新聞 | 2019年12月8日(日) 05:00

 アジア太平洋戦争での加害の事実を知ることの重要性を訴え続けている「アジア・フォーラム横浜・証言集会」が7日、横浜市神奈川区のかながわ県民センターで開かれ、約140人が参加した。シンガポールでの旧日本軍による華人虐殺で父を失った沈素菲(シムスーウィー)さん(84)が、インターネットを通じて当時の体験を報告。歴史を直視することで、真の和解と友情が実現すると訴えた。


シンガポールからインターネットを通じて過酷な戦争体験を語る沈さん =かながわ県民センター
シンガポールからインターネットを通じて過酷な戦争体験を語る沈さん =かながわ県民センター

 沈さんは、1942年の華人虐殺で父を失い、その10カ月後には、打ちのめされた母が病気で亡くなる悲劇に襲われた。「私と兄、姉は孤児となりました。食べ物がなく飢えに苦しみ続けました」。両親を失った悲しみと悲惨な占領下の生活を語る一方で、「日本人とは友人になり、平和を愛する関係になりたい」と、インターネット電話「スカイプ」を通して参加者に語りかけた。

 シンガポールの研究者、林少彬(リムシャオビン)さんは、近年発掘した資料を基に、東南アジアでの日本のスパイ活動などを報告した。東南アジア一帯では戦前から、建物の撮影など、さまざまな活動が行われていたことを解説。生物兵器の開発などを行っていた旧日本軍の「731部隊」の支隊がシンガポールに存在し、戦後、部隊の隠ぺいが行われたとし、「どのような活動を行っていたのか研究が必要」と話した。

 琉球大名誉教授の高嶋伸欣さんも講演し、若者に加害の歴史を伝える責任を強調。「日本の若者に歴史を伝えることで、日中韓が共生する道を求めていきたい」と訴えた。

 26回を数えた証言集会について、アジア・フォーラム横浜代表の吉池俊子さんは「被害者の側から日本に手を差し伸べてくれている。その手を離してはいけない。歴史を見つめ、学んでいかなければならない」と話した。

 
 

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