2012年11月、相模原市緑区橋本台の金属加工メーカー「共立工業」(今年7月に破産手続き開始)の工場で検査中の金属部品が破裂し、男性社員3人が死傷した事故で、県警捜査1課と相模原北署は4日までに、当時の男性工場長(52)=東京都日野市=を業務上過失致死傷容疑で書類送検した。
法律では義務付けられていないものの、一般的に行われる水圧試験をしていれば、事故は防げた可能性が高いと判断した。
同署によると、書類送検は10月12日付。事故は12年11月15日午後7時15分ごろ発生。アルミ製圧力容器の「クランクケース」の気密性を確認するため、窒素を流し込んでいたところ、容器が破裂し、社員=当時(35)=が死亡、同僚の男性2人(当時、55歳と42歳)が重傷を負った。
労働安全衛生法では、圧力容器の気密検査では、事前の水圧試験が義務付けられている場合がある。ただ、クランクケースは対象外で、この事故では行っていなかった。
同署は同業他社などに問い合わせ、今回と同様の検査では一般的に水圧試験が行われている状況を確認。検査の指示を出し、監督責任者の工場長も「経験則上、大丈夫だろうと思ったが、水圧試験はやるべきだった」と供述しているという。