
性的マイノリティー(LGBTなど)が安心して働ける職場の在り方を学ぶ企業向けセミナーが19日、川崎市川崎区で開かれた。支援団体「LGBT法連合会」事務局長代理の下平武さんが性的指向・性自認に対する差別や嫌がらせ「SOGI(ソジ)ハラスメント」について解説した。
市人権・男女共同参画室が主催した3回連続講座の初回。企業や自治体の関係者ら約20人が参加した。
LGBTは日本の人口の約8%いるとされ、下平さんは全国で多い名字の上位である「佐藤」「鈴木」「高橋」「田中」姓の人の合計よりも多いと指摘。「その割にカミングアウトしている人は周囲に少ないはず。差別や偏見があるからだ」と問題提起した。
下平さんは企業で広がる取り組みも紹介。社内規定や行動指針などでLGBTに対する差別禁止や権利尊重をうたう企業は330社に上るとし、「当事者の職場での安心感につながり、社外からの評価も上がる。生産性の低下やメンタルヘルスの悪化を防ぐためにもSOGIハラ対策を講じるべきだ」と訴えた。
セミナーは次回や最終回だけの受講も可能。来年1月8日、2月12日のいずれも午後3時から同区の川崎フロンティアビルで開く。1週間前までに申し込みが必要で、問い合わせは、同室電話044(200)2316。