箱根山と富士山の噴火をテーマに県温泉地学研究所の萬年一剛主任研究員が24日講演し、迅速な避難行動の大切さを訴えた。
箱根山の噴火警戒レベルが5(避難)に引き上げられたことを想定して実施された避難訓練の一環。避難先となった仙石原文化センター(箱根町仙石原)で、訓練の参加住民を対象とした。
萬年さんは、箱根山の警戒レベルが3(入山規制)まで引き上げられた2015年の火山活動の際に観測された有感地震の回数を説明。その上で、レベル4(避難準備)や5の場合は「もっと大きな地震が頻発する中で避難しなくてはならなくなる可能性がある」と対応の難しさに言及した。
また、14年の御嶽山噴火で火口から1・6キロ離れた場所で噴石に当たり犠牲になった人がいたことを引き合いに、大涌谷の想定火口域から生活圏が700メートルほどしか離れていない箱根山の課題を指摘。「早めに逃げなければ間に合わない。どういう風に避難しなければならないか考えて」と呼び掛けた。
富士山の噴火については「県西地域では火山灰が最大で30~60センチ積もる。孤立集落が発生してしまうのが問題」と強調。一方で「火山災害は地震と違って、何かしら前もって起きる」とし、早めの避難の大切さを繰り返し説いた。