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【台風19号】芦ノ湖治水検証 水門開閉、静岡県と協議も

社会 | 神奈川新聞 | 2019年11月6日(水) 06:00

湖水の水位調節を目的として通常は閉じている湖尻水門=箱根町の芦ノ湖
湖水の水位調節を目的として通常は閉じている湖尻水門=箱根町の芦ノ湖

 台風19号による記録的大雨の影響で氾濫した芦ノ湖(箱根町)の治水対策を巡り、県は5日、原因や対策について検証する方針を明らかにした。許容量を超すような雨量で水位が増した場合、水門の開閉をどう対応するか-。必要に応じて芦ノ湖の水利権がある静岡県側とも災害対策の運用改善に向けて協議し、再発防止を図る考えだ。

 台風が通過した10月12日、同町では全国の観測史上最高となる1千ミリ超の降水量を記録。芦ノ湖は氾濫危険水位を超えたまま水位が下がらず、16日夜にようやく同水位を下回った。この間、湖畔の観光施設浸水や遊覧船の運休といった被害が生じ、湖水が流れる早川でも増水による浸水被害があった。


 河川管理者の県などによると、芦ノ湖の水を巡っては、湖尻峠の地下に掘られたトンネルが江戸時代の1670年に完成。当時小田原藩だった静岡県裾野市まで流れるかんがい用水路として長く使われ、水利権は主に同市などでつくる静岡県芦湖水利組合にある。湖西岸の「深良水門」から水が常時流れている一方、早川につながる北側の「湖尻水門」は湖水の水位調節が目的で通常は閉じている。

 県は早川の増水などを受けて同組合と治水対策の向上を進めてきたが、一定の水位を超えないと湖尻水門を開けられない運用は変えられなかった。転機となったのは2005年の台風による浸水被害で、翌06年から「見込み雨量」に基づく事前放流ができるようになった。

 今回の台風19号では、気象庁の降雨量予測を受けて10月10日午後7時に事前放流を開始し、20日午前7時まで放流が続けられた。ただ、結果的に湖と下流の早川で浸水被害が発生。水利権の問題などでさらに水位を下げておくことは難しく、記録的大雨への対策が改めて課題として浮かび上がった。

 県幹部は「しっかり検証し、必要があれば利水者と調整して今後こうした災害が起きないよう、最善を尽くしたい」と述べた。5日の県議会決算特別委員会で池田東一郎氏(県政会)の質問に答えた。

 
 

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