
那覇市の首里城で正殿などが焼失した火災を受け、横浜市金沢区の関東学院大で2、3日に開かれた沖縄イベント「うちなーフェア」では、再建に向けた募金活動が行われた。多くの人が募金箱に足を止め、「首里城は沖縄の人の心のよりどころ。一日も早く再建してほしい」と、寄付に応じていた。
沖縄出身で同区で三線の教師をしている長嶺紀晃さん(83)は「募金をしていると聞き、駆け付けた」という。実家は首里城に近い。「戦災で焼失する前の首里城も覚えている。歴史を感じさせる建物だった。復元された首里城は朱を塗ってきらびやかになり感慨深かった。命ある間に再建された首里城を見たい」と語った。
フェアは、同大法学部と沖縄大学の連携事業「沖縄創生まじゅんプロジェクト」の一環で企画された。開催直前に悲劇が伝わり、イベントに携わった学生団体「SJT」の発案で、寄付を呼び掛けるパネルや募金箱を作成。同時開催の学園祭「平潟祭」でにぎわうキャンパス内を巡って寄付の呼び掛けも行った。同団体の法学部3年の上地竜太さん(20)は「多くの人が沖縄のことを思ってくれていると感じた。一日も早く再建してほしい」と話した。
寄付金は2日間で19万7389円。同大法学部長の村上裕教授は「沖縄県などと協議して最善の使い道を検討したい」としている。