小田原市は31日、市民会館(同市本町)で戦没者慰霊祭を開催した。遺族や関係者ら約400人が出席、戦争で命を落とした故人の冥福を祈るとともに、平和への誓いを新たにした。
出席者全員で黙とうした後、加藤憲一市長は「戦後、日本では戦争で命を落とす人はいないが、世界では新たな犠牲が新たな悲しみを呼んでいる。この現実に目をそらさず、戦争の悲劇を風化させず、次の世代に語り継ぐことが使命」と式辞を読み上げた。
市遺族会の石綿義弘会長も「昭和、平成、令和と変遷する中で戦後74年を迎えた。遺族も高齢化して、戦争を知らない世代も増えた。残された悲しみの体験を語り、子や孫に伝えないといけない」と、継承の大切さを口にした。
慰霊祭は市戦没者慰霊塔が1957年10月29日に城山公園(同市城山)内に建立されたことにちなみ、毎年この日の前後に開かれている。