旭化成名誉フェローの吉野彰さんがノーベル化学賞に決まったことを受け、藤沢市の鈴木恒夫市長が19日、同市内の吉野さん宅を訪れ、祝意を述べ、懇談した。
鈴木市長は「藤沢市民を代表してお祝いする。藤沢の子どもたちが夢と希望を持つきっかけになる」と偉業をたたえた。その上で、吉野さんの同市名誉市民選定への諮問を検討する考えを明らかにした。
吉野さんは「関西出身なので、湘南、藤沢にあこがれがあり、住まいを選んだ」と、40年以上住み続けている同市への愛着を強調。「藤沢にお役に立てることがあればぜひやりたい。子どもたちの好奇心をくすぐるようなことができれば」と、地域貢献にも意欲を示した。
鈴木市長は、吉野さん宅周辺でタクシーの自動運転の実証実験が行われたり、県の「さがみロボット産業特区」の指定されたりと、同市が最先端の科学技術と深く関わっている状況を説明。吉野さんに、先端技術を取り入れたまちづくりの推進に理解と協力を求めた。
テニスルックの吉野さんは市長を見送り、「これから近くの公園で妻とテニス」と、終始笑顔だった。