
記録的な大雨や暴風をもたらした台風19号で、横浜市内では6人が負傷し、住宅の被害が190棟以上に上ったことが15日、市のまとめで分かった。横浜地方気象台(中区山手町)で12日に10月の観測史上最大となる最大瞬間風速43・8メートルを観測しており、風による被害や影響が目立った。
市危機管理室によると、けがをしたのは10~70代の男女6人。泉区では、70代男性が隣家から飛ばされてきたトタンに当たり、頭を負傷するなど、2人が軽傷を負った。ほかに港南、保土ケ谷、緑、栄の各区で、強風が主な原因とみられる負傷者が出ている。
住宅の被害は、半壊が8棟で、区別では金沢、瀬谷区で各2棟、港南、港北、緑、戸塚区で各1棟となっている。このうち、屋根が飛ばされた港南区の1棟は、当初は全壊と判定されていたが、再調査の結果、半壊に見直された。
このほか、一部損壊となった住宅は市内全体で181棟に上り、全18区で確認されている。一方、床上浸水は港北区の1棟のみで、床下浸水も緑、青葉区の各1棟だった。
公共施設など住宅以外の被害は49棟あり、倒木などによる道路被害は7カ所、崖崩れや土砂の流出は12カ所だった。停電は最大で3万8千軒を超えたが、市によると、全て解消しているという。
市内には、台風の接近時に大雨、洪水、暴風、波浪、高潮の各警報が発表され、土砂災害警戒情報も出された。このため市は急傾斜地や川沿いの地域に避難勧告(警戒レベル4)や避難準備・高齢者等避難開始(同3)を発令。4034世帯の8893人が避難所に身を寄せた。
気象庁のアメダスで捉えられた降り始めからの総雨量は、中区が218ミリ、港北区が207ミリだったが、市が青葉区に設置した雨量計では313ミリの雨が観測された。