勤務先の茅ケ崎市立病院(同市本村5丁目)から転売目的で医薬品を持ち出したとして、業務上横領の罪に問われた元同病院薬剤師の被告(33)=海老名市=の公判が4日、横浜地裁(並河浩二裁判官)で開かれた。検察側は被告が売却代金を複数の口座に分散して保管し、その口座の合計額が約6千万円に上ることを明らかにした。
被告は4月6~14日、同病院の薬品倉庫から医薬品計約200万円分を不正に持ち出したとして、これまでに2回起訴されている。この日の公判で検察側は被告が昨年8月から横領を始め、口座の6千万円についても転売で得た利益と認めているとした。
この日は検察側の追加立証が行われ、被告の捜査段階の供述調書が明らかにされた。検察側は、被告がインターネットで探した東京都内の業者に薬価の7~8割で横領した医薬品を転売し、金融機関の万一の破綻に備えて分散保管したと説明した。
また、業者とは当初メールで連絡を取り合ったが、証拠が残ることを恐れて業者の依頼で電話に切り替えたとも指摘。宅配便で偽名を使いサプリメントと記載して医薬品を送っていたことや、家族に発覚しないよう宅配センターで代金を受け取っていたことも明らかにした。