横浜家裁の大須賀滋所長(64)が27日、同家裁で就任会見に臨み、「紛争解決のため、当事者の切実な思いを十分にくみ取ることができる裁判所でないといけない」と抱負を述べた。就任は9月7日付。
少年事件については、会員制交流サイト(SNS)の発達などを例に挙げながら、「非行に至るプロセスが従来と変わってきている。少年を取り巻く環境の変化を感じ取り、新たな状況に応じた指導をしたい」と語った。
また、成年後見制度利用促進法が昨年施行されたことを踏まえ、「法に基づいて今後、自治体を中心に地域連携ネットワークや中核機関がつくられていく。家裁は従来から後見事務を取り扱ってきたので、知識や経験を基に新制度へ協力していきたい」とした。
出身は長崎県佐世保市。同じ港町の横浜には親近感があるとし、「資料館などに足を運び、横浜の歴史を勉強したい」と述べた。
東大卒。1984年判事補任官。法務省大臣官房参事官、知財高裁判事などを歴任し、前任は岐阜地家裁所長。