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期限切れ廃棄減らせ 災害備蓄食料を有効活用

社会 | 神奈川新聞 | 2017年9月28日(木) 02:00

イベントで配布用に小分けにされた防災備蓄食料=海老名市大谷北1丁目の中部大型防災備蓄倉庫
イベントで配布用に小分けにされた防災備蓄食料=海老名市大谷北1丁目の中部大型防災備蓄倉庫

 賞味期限を迎えた災害備蓄食料の廃棄を減らそうと、海老名、相模原、厚木市が備蓄食料の有効活用に取り組んでいる。賞味期限前に地域の炊き出し訓練に使うだけではなく、イベントなどで市民に無料配布。フードバンクに提供したり、職員が夜食として食べたりするケースもある。「廃棄はもったいない」という共通認識を持ち、海老名市はすでに廃棄ゼロを達成している。

 海老名市は避難所収容可能人数3万5千人の2日分と帰宅困難者や職員用として、約25万食を備蓄。多くは賞味期限が5年間で、年に約5万食ずつを入れ替える。

 期限切れ半年前を目安に、地域での炊き出し訓練に使うほか、小分けにしてイベント参加市民に提供。「どんなものが蓄えられているのか、参加者の家族にも知ってもらい、防災意識を高めてもらえる」と危機管理課。「とにかく捨てるな」の市長号令の下、市役所で残業続きの部署が夕食や夜食に活用することもある。

 また「乾パンやビスケットばかりでは味気なく、元気が出ないから」と、やわらかいパンや即席麺の缶詰、水で戻せるパスタやご飯など多彩な品ぞろえを誇る。アルファ化米でも五目ご飯、わかめご飯、えびピラフ、山菜おこわ、パスタもカルボナーラ、ペペロンチーノなど目先を変えている。

 これまでは備蓄食料入れ替えの際に、納入業者に廃棄も一括で発注してきた相模原市。3月に初めて試験的に備蓄のビスケットなど一部食品を、民間のフードバンク事業へ提供した。福祉団体や生活困窮世帯などに無償で備蓄食料が提供されるため、「双方にメリットがある」として、引き続き行う方向で調整している。

 2016年度は入れ替え対象の備蓄食料の約8割を廃棄した厚木市。新たに防災関係の講演会参加者に渡したり、啓発を兼ねて市役所各部に配布するなど、「本年度の廃棄率を約3割にとどめる」としている。

 いずれの担当課も「行政でも備えるが、各家庭でも自助の精神で7日間分の備蓄を」と呼び掛けている。

 
 

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