県レスリング協会の男性役員(62)が補助金約737万円を不適正に経理処理していた問題で、同協会の斉藤勁会長は26日、県庁で会見し、「県民に多大な迷惑を掛け、おわび申し上げます」と謝罪した。不正額全額を県体育協会に返金する意向も示した。
斉藤会長によると、不適正経理と推定される約737万円のうち、現在も約450万円が通帳に残されているという。同役員は「2020年東京五輪に向けて少しでも強化費を増やしたかった」などと説明しており、私的流用はなかったと改めて強調。役員はすでに辞任しており、刑事告訴などは考えていないとした。
斉藤会長は「歴史ある協会だが担当者にすべての事務と権限が集中している未熟さがあった。二度と起こさないと肝に銘じ、財務態勢を強化する」と説明、会計規定を設ける考えを示した。
同役員は11年度から6年間にわたり指導者への謝金の領収書を偽装するなどして現金を保管していた。