海上自衛隊の食料の納品業務に関し、便宜を図った見返りに接待を受けたとして、県警捜査2課と横須賀署などは9日、収賄の疑いで、海上自衛隊横須賀造修補給所の2等海曹の男(47)=横須賀市汐入町=を逮捕した。接待したとして、贈賄の疑いで、同市の食料品製造卸売会社「明食」社長の男(52)=横浜市神奈川区白幡東町=も逮捕した。
2等海曹の逮捕容疑は、2016年12月~18年5月ごろ、明食が海自に納品した食料が発注通りでないのを知りながら黙認、見返りに社長から高級クラブで約25回にわたり計約110万円相当の接待を受けた、としている。
同課によると、2等海曹は当時、発注書と納入品の整合性を調べる検査官だった。明食が検査を受ける際は同容疑者が担当、廃棄間近の在庫品などの納入を黙認していたという。
また、12年12月ごろ、一部の食料が納品されていないのに正当に納品されたように装い、代金約80万円を詐取したとして、詐欺容疑で元海自の准海尉で、会社員の男(58)=横須賀市池上=も逮捕した。同課は同様の手口で、計約1千万円の架空請求に関わった疑いがあるとみて調べる。
同課は3人の認否を明らかにしていない。
同補給所長の山岡鉄司1等海佐は「県警の捜査に全面的に協力し、原因究明と再発防止に努める」とコメントした。