過去最強クラスの台風15号の猛威は、横浜市内全域に及んだ。各地で倒木や道路の冠水のほか、家屋の損壊や崖崩れが相次ぎ、屋内でも浸水や停電に見舞われた。飛んできた物が頭にぶつかるなど、けが人も出た。
足場が崩落
金沢区泥亀の7階建てビルの解体現場では、ビルを覆っていた足場や防壁が広範囲にわたってめくれ、一部が崩落した。さらなる落下の危険性があり、隣接する国道16号は安全確保のため、上り線が通行止めとなった。
区内の男性会社員(48)は「自宅のマンションが揺れていると感じるくらいすごい暴風だった」と話した。西区の工事現場や中区のスーパーでも、足場が倒壊したり、看板がはがれ落ちたりするなど、建物の被害が多発した。
漁港で高波
横浜港・本牧ふ頭にある本牧漁港では、高波を受け、港を守る消波ブロックが崩れるなど、一部の施設が影響を受けた。
漁港内が停電となり、被害の全容はまだ分からないという。底引き網漁船「崇徹丸」船主の村瀬崇徹さん(45)は「復旧するまでは、しばらく漁に出られない。船が浮いているだけ良かったと考えるしかない」とため息をついた。
中区の山下公園前では、乗り場の桟橋に係留されていた旅客船「シーバス」2隻のうち、1隻が沈没。もう1隻は係留索が切れて港内を一時漂流した。
休校相次ぐ
市教育委員会によると、市立の小学校340校、中学校145校、高校8校、義務教育学校2校、特別支援学校13校が休校になり、一部の学校は午後に始業時間を繰り下げた。