歴史継承 犠牲者に誓う

1923年の関東大震災直後に虐殺された朝鮮人らを追悼し、歴史を継承する集会が7日、久保山墓地(横浜市西区)の慰霊碑前で開かれた。市内の人権団体や国際協力団体の関係者、在日韓国朝鮮人ら180人が参加。朗読劇や合唱などを通じて「歴史の事実に向き合い、後世に伝えることが未来を築く一歩」と犠牲者に誓った。
集会は、4年後の震災から100年に向けて虐殺の真相究明に取り組む市民グループ「関東大震災時朝鮮人虐殺の事実を知り追悼する神奈川実行委員会」が主催し、今年で7回目。実行委メンバーによる恒例の朗読劇では今回、東京で虐殺を免れた男性の証言を基に、96年前の惨劇を再現した。
「日本政府も日本人も虐殺の事実を明らかにしていない。だからいけないんだ」。男性が苦しみと嘆きの入り交じった思いで迎えた最期の時を熱演し、痛ましい歴史を二度と繰り返さないとの思いを共有した。朗読劇の練習を支援した俳優の高橋長英さんも会場に駆け付けた。
実行委の山本すみ子代表は「朝鮮人虐殺は日本の植民地支配の延長線上にある」と指摘し、「事実を知ると同時に、なぜ起こったのかをきちんと捉えることが重要」と訴えた。
慰霊碑前では献花や民族舞踊、学生によるアリランの合唱なども行われた。