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戦争の罪深さ 思いはせ 青い目の人形の歴史解説

社会 | 神奈川新聞 | 2019年8月19日(月) 05:00

「メリーちゃん」の発見状況を再現した森田さん(右)の挿絵を見せながら「青い目の人形」について説明する野村さん=逗子文化プラザさざなみホール、2019年8月18日撮影
「メリーちゃん」の発見状況を再現した森田さん(右)の挿絵を見せながら「青い目の人形」について説明する野村さん=逗子文化プラザさざなみホール、2019年8月18日撮影

 戦前に日米友好の証しとして米国から寄贈され、三浦半島で唯一、町立葉山小学校に現存する「青い目の人形」をテーマにした講演会が18日、逗子市の逗子文化プラザさざなみホールで開かれた。戦時中に多くが処分される中で戦禍を免れた人形を基に創作された民話の内容をたどりながら、約100人が人形すら敵視する戦争の罪深さを学んだ。

 人形は全米の募金により作られ1927(昭和2)年、1万2739体が全国各地の小学校や幼稚園に贈られた。しかし、太平洋戦争が始まると焼かれるなど大半が処分された。県内では葉山小の「メリーちゃん」(同町指定文化財)のほか、横浜市などに10体ほどが残るのみという。

 元逗子市教育長で三浦半島の出来事を語り継ぐ団体「ちょっと昔の逗子のお話の会」を主宰する野村昇司さん(86)は、葉山小でかくまわれ、処分を逃れた人形の歴史を調査。逗子市を拠点に活動する画家・森田美智子さん(77)の挿絵を添え、創作民話として冊子にまとめた。

 講演会は野村さんの時代解説に、森田さんの冊子朗読を挟むスタイルで展開。野村さんは軍部が「人形の破壊や焼却」を指示していたことを踏まえ、「命令に背くことは決死の思いだったろう」と推測し、「平和への思いを胸に、優しさを貫いた全ての人たちに感謝する」と述べた。

 今回の民話は冊子第3集に収録(1冊500円)。問い合わせは同会の山田さん電話046(871)9674。

 
 

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