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大和・2人殺害の死刑囚に死刑執行 地裁判決を振り返る

社会 | 神奈川新聞 | 2019年8月2日(金) 12:56

 法務省が2日、死刑を執行したと発表した庄子幸一死刑囚。大和市で2001年に女性2人を殺害し、強盗殺人罪などで死刑が確定していた。横浜地裁での判決(2003年4月30日)では、「人間としての感情を持ち合わせているのかさえ疑わせる犯行」と断罪されていた。

 当時の記事を振り返ると・・・



 大和市内で主婦2人が相発いで殺害されるなどした事件で強盗殺人などの罪に問われたいずれも住所不定、無職庄子幸一(48)と女(40)の両被告の判決公判が30日、横浜地裁であった。裁判長は主犯格とされた庄子被告に「極悪非道の犯行」として求刑通り死刑、女の被告に対しては「立場は従的で反省している」などとして無期懲役(求刑死刑)を言い渡した。検察側は女の被告、弁護側は庄子被告に関してそれぞれ控訴する方針。

 公判では起訴事実は争われず、犯行動機の判断が焦点となっていた。庄子被告は「知人の祈とう師から『頭を押さえ付けている悪がある』と示唆された」などと証言。検察側は論告で「金銭に窮しての強盗、口封じのための殺害」と指摘したが、弁護側は「許されざる規範やマインドコントロールに基づいた犯行」と反論、極刑回避を求めていた。

 判決理由で裁判長は、庄子被告の動機説明を「はなはだ信じがたい不自然なもの。重大犯罪に対する罪業への恐れを軽減するためのまやかし」「犯行を発案しており責任は重い」と指摘。女の被告に関しては「神秘的な力を信じやすい傾向につけ込まれた」などの事情をしん酌、刑事責任に差があると判断した。

 判決によると、両被告は2001年8月28日、大和市内のマンションで主婦=当時(54)=の首をベルトで絞め、包丁で腹部を刺し殺害した上、現金とキャッシュカードを奪った。翌9月19日にも市内の別のマンションで、主婦=当時(42)=の手足をテープで巻き付けて水の入った浴槽に沈めて死亡させ、現金を奪うなどした。

被告、極刑判決にも無表情 動機未解明「答えられない」

 「人間としての感情を持ち合わせているのかさえ疑わせる犯行」。主婦連続強盗殺人事件で横浜地裁は30日、被告の男女2人を厳しく断罪した。弁護人さえも「被害者におわびする」(最終弁論)と述べたほどの事件だが、当の本人たちは最後まで「五つの扉を開けるため」と神秘めいた言葉を発し続け、合理的な説明はされていない。事件の衝撃さと裏腹に、庄子幸一被告は非現実な世界に漂い犯行に至る事実の解明は結局、果たされないままだった。

 せい惨な事件を裁いた法廷には、不似合いに思えた光景だった。

 裁判長が判決理由から述べ始め、1時間半後に言い渡された判決主文。ずっと無表情だった庄子被告が左側に立っていた女の被告に振り向いて、笑みを浮かべた。自らに極刑が下りながら、“相棒′が生命刑を免れたことへの喜びだったのか。

「(女の被告には)助かってほしかった」。言い渡し後、接見した弁護人に、庄子被告はそう漏らした。一方の女の被告は「つぐないもできず、おわびするしかない」。泣きながら、遺族への謝罪を口にしたという。

 「自分でも分からない。客観的な事実はすべて話すから解明してほしい」。起訴前の接見に訪れた弁護士は、庄子被告からそう頼まれた。

 昨年1月に法廷が始まっても、不可解な証言が続いた。9月の被告人質問で庄子被告は、人生相談のために2人で訪れた祈とう師から「言葉だけでなく“念”を受けた」と言い張った。だが、犯行との因果関係には口を閉ざした。

 「『あだなすものを排除する』というのが、どうして殺害に結び付いたのか?」

 「…自分でも、はっきり答えられないです」

 弁護側は「奇妙な動機」で懸命に犯行を説明しようとしたが、判決では「矛盾に満ちている。犯行は私欲目的」と退けられた。

 動機説明に不合理さを残した半面で、遺族にはやりきれない重い現実が今ものしかかる。

 今年1月の論告で、検察側は女の被告の知り合いで殺害された主婦の遺族からの陳述書を読み上げた。「一生許しません。あなたを恨んでいます」

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