相模原市緑区の県立障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者ら45人が殺傷された事件は発生から26日で3年。現場となった園の管理棟前に献花台が設けられ、県内各地で集会が開かれた。「差別のない社会を作り上げます」-。子どもが、若者が、障害者が、犠牲となった19人への誓いを胸に鎮魂の祈りをささげた。
「誰もが命は平等」 大学教授の佐々木さん

「どんなに苦しかったか、どんなに痛かったか。この事件が社会に与えた負の大きさは計り知れない」。静岡県立大短期大学部教授の佐々木隆志さん(62)は、色とりどりの花で彩られた献花台の前で手を合わせた。社会福祉学を専門にする研究者として、そして障害のある子の親として。
「障害者は生きていることが不幸だ」「生まれてこなければよかった」
事件直後、自閉症の三男豪さん(23)の様子が変わった。テレビに映る植松聖被告(29)の姿におびえ、これまで口にしたことのない言葉を発するようになった。以来、息子がパニックを起こさないように自宅で「植松」は禁句になった。
障害者はいなくなればいい-。事件後、植松被告が供述したとされる言葉に強い衝撃を受けた。真意を確かめるために手紙を送り、拘置所に足を運んだ。