日本盲導犬協会の神奈川訓練センター(横浜市港北区)は、リードを外して訓練犬を運動させられるフリーラン場を、センター隣の第3京浜道路の高架下に新設した。効率的に訓練できることに加え、利用者らが“相棒”やOB犬と楽しく遊ぶこともできる。
同センターが2018年度に育成した盲導犬は24頭。協会全体(41頭)の6割近くを占め、盲導犬訓練の中核を担っている。
一方、屋外訓練で使用してきたセンター内の多目的広場(約千平方メートル)は1997年の開設以来、育成犬の倍増で出入りする車が増え、訓練士を養成する授業でも利用するようになり、年々手狭になっていた。
そこでセンターは、隣接する高架下の土地を東日本高速道路(NEXCO東日本)などから借り、約1200平方メートルのフリーラン場を整備した。
屋外広場はアスファルトで舗装され、夏場に表面の温度が高くなっていたため、足への負担を考慮し、フリーラン場には芝の広場(257平方メートル)と、木製チップを敷いた広場(132平方メートル)を用意。高架下にあるため、夏の日差しや雨を防げる。駐車場とも分離し、事故に遭う懸念も払拭(ふっしょく)した。
3日に開かれた落成式で、同協会の井上幸彦理事長は「訓練の効率アップに加え、盲導犬とユーザーらが楽しいひとときを過ごす場にもなる」とあいさつ。出席した利用者の川上正信さん(67)は早速、ラブラドルレトリバーのワールド(4歳、雄)のリードを外して使い心地を一緒に試し、「センターに来所する楽しみが増えた」と喜んだ。
協会は「盲導犬候補の子犬を育てる『パピーウォーカー』や、引退犬を飼育するボランティアが、共に過ごす場としても活用したい」と話している。