敗戦から74年となる夏に合わせ、愛川町郷土資料館(同町半原)で20日、地元に残る戦時の資料を集めた企画展「戦争の記憶」が始まった。観覧無料、9月1日まで。
同展は、同館が2010年からほぼ隔年で実施し、ことしの開催が6回目となる。今回は(1)相模陸軍飛行場(写真)(2)同(資料)(3)出征兵士(4)銃後の守り(5)復興への足音-の五つのテーマで構成。日中戦争勃発の昭和10年代から、太平洋戦争敗戦後までに関わる約90点の写真や資料を展示している。
重点的に取り上げているのが、1941年に少年飛行兵などが学ぶ熊谷陸軍飛行学校相模分教所として同町中津に開設され、44年8月から戦闘機隊専用の訓練基地とされた相模陸軍飛行場(通称中津飛行場)。分教所の卒業記念で撮影したとみられる写真や、陸軍少年兵を募るポスターなどをそろえ、飛行場の模型も並べている。
出征する兵士の無事を祈って職場や近所の人が名前などを書き込んだ「寄せ書き日の丸」とも呼ばれる日章旗や千人針のほか、防毒面や銃剣なども紹介。空襲に備えて家の明かりが広範囲に漏れないようにする傘など、戦中の暮らしがうかがえる展示品もある。
同館担当者は相模陸軍飛行場が現在の内陸工業団地(同町、厚木市)に転じた歴史の変遷に触れ、「今の町の発展を支える工業団地には飛行場があり、殉職を含めて大勢が亡くなった悲劇の場所だった。若い人に知ってもらい、平和の大切さや歴史を知ってもらいたい」と話している。
午前9時~午後5時。9月1日までの会期中は休館日はなし。問い合わせは、同館電話046(280)1050。